クライストチャーチ

復興計画の進み具合:ニュージーランド地震から3年

ニュージーランドの地震から3年。
クライストチャーチ中心部の建物の取り壊しはかなり進んできているし、新しい建物の建設も始まってきているけれど・・・

今、復興計画の進み具合ってどうなってるの?

ということで、CERA(地震復興庁)へ取材に行ってきたよ。
CERA クライストチャーチ
CERAのオフィスは、クライストチャーチアートギャラリーの近くのこの新しいビル。

弁護士事務所なども入ってる建物だけど、多くのフロアがCERAやCCDU(復興計画を作った)のオフィスなんだ。

CERA受付
地震復興庁 クライストチャーチ
地震復興庁って始めて来たけど…地震後に作られた場所だけど、かなりお金かかってる?
家具とか、内装の全体的な感じが高級…

このソファーに座って、しばらくメディア担当の人が来るのを待ったよ。
ニュージーランド地震復興庁
クライストチャーチの映像が流れている

それからオフィスの中の方まで案内してもらって・・・

壁に貼ってあったブループリント
ニュージーランド地震 復興プラン

復興計画を作ったCCDUのDirector、Warwick Isaacsさんのオフィスへ。

ここからの眺めが凄い!
CCDU クライストチャーチ復興プラン
CBDを一望できる

クライストチャーチの地震は局地的だったから、その周辺の住宅地は影響のほぼ無いエリアも多いんだ。

でも被害が出た中心部は復興に時間がかかる・・・

 

復興プランについて、いろいろ聞いてみたよ。

復興プランを分かりやすくいうと?

・緑の多い町にしたい。(フレームと呼ばれる緑の多いエリアに住宅街/公園を建てることになった、エイボン川の周りを緑あふれるエリアに)

・クライストチャーチの個性を出す、クライストチャーチらしい街にする(アイデンティティーを大事に)
ただ安いからって四角いコンクリートの建物ばかりではなく、洗練されたデザインの建物や、モダンなデザイン、伝統的なデザインのバランスを考えたりする。

・コンパクトな中心部にする。

・働く場所、遊ぶ、住む場所
(ただビジネス街、観光地、というわけではなく、人が住んで、遊んで、働いて・・・とバランスの良い中心部)

・自転車や徒歩で、安全に移動しやすい(中心部の制限速度を落とすなど)

なぜ、中心部をコンパクトにすることに?

クライストチャーチ中心部は、地震前に広がり過ぎていた。
必要以上に建物が多くあって、ストリートによっては人気が無い場所も出て来てしまって・・・
そこで、シェアアンアイデアで集まった、緑の多い都市、中心部に住みたい人もいるという意見を参考に、住民が住むエリア(アパート、タウンハウスなどが建つことになる)を作ったり、緑を多くしてコンパクトにした。

CERAのオフィス

ニュージーランド地震から3年、今のCBD復興プランの進行状況は?

ブループリントの大きなプロジェクトは、多くが企画、デザイン、準備段階に入っていて、着実にそれらのプロジェクトが進んでいる。
建物の取り壊しはかなり進んでいるけれど、まだこれからのところも。
キープロジェクトのデザイン、設計などをしつつ、その間に政府が復興プランを実現するために必要な土地を買い上げている。

キープロジェクトを進めるのに、何年も時間がかかってしまうことが問題。
クライストチャーチ市民にとっては復興が遅いと感じるかもしれないが、ちゃんと計画して進めているということを伝えたい。

話に何度か出てきた、CBD復興のキープロジェクトっていうのは・・・

・裁判所
・エイボン川の両側を緑地にする、フレームを作る(L字型みたいな緑地地帯。公園のようにして、ここに土地開発業者にアパートなどを建ててもらう、公園と住宅エリアが一体となった場所)
・病院
・バスターミナル
・スポーツ施設(プール、ジムなどがついた、以前よりずっと大きい総合施設)
・お店が並ぶエリア開発(リスタートモールがある場所に出来る)
・地震のメモリアル(記念碑的な)を作る
・大きな劇場
・大聖堂広場の開発
・ITなどの会社が集まるエリア開発
・スポーツスタジアム(前のは地震でダメになってしまったから新しいものを作る、でも今仮のスタジアムを使っているので、とりかかる順番としては優先順位が低い)

などのこと。

以前CCDUが発表したブループリントに基づいて、着々とプランが進んでいたんだね!

話を聞いていて、これからのクライストチャーチ中心部がどんな風になっていくのか、楽しみになってきた!!
ちゃんとクライストチャーチのアイデンティティーを大切に、住民の意見を反映させて作り上げて行くCBDなら、いい方向に進んでいくんじゃないかなって。

ここで毎日仕事してたら、復興の進行状況を見ながら出来ていいよね!
クライストチャーチ復興
Warwick Isaacsさんのオフィス