ニュージーランドはトレッキング天国、簡単な散歩道から本格ハイキングコースまで充実している。
そんなニュージーランドの中で、一番長いロングトレイルがTe araroa(テ・アラロア)。
ニュージーランド北端から南端まで約5か月、3000キロ歩き続ける究極のルート!!
そんな途方もないテ・アラロアを全て歩いた高倉悠祐君が今クライストチャーチに来てるよ~と友達から連絡がきて、日本料理レストランKinjiで合流。
https://twitter.com/naokonz/status/1132946700396445696
この記事では、ニュージーランドのロングトレイル、テアラロアを歩いて達成した高倉悠祐さんの話から、実際に使った装備、ニュージーランドを歩いて縦断する魅力などをたくさんの写真と共に紹介したいと思うよ。
足でニュージーランドを縦断した写真はどれもキレイで、映画の中みたいな世界。
でも服が破れ、ポッサムにテントに穴をあけられてサンドフライ(蚊みたいな虫)が侵入、服は自分で修理、自分で運べるだけの持ち物での生活などなど…苦労は果てしない。
5か月も歩き続けた話は深く、とても興味深かった。
3000キロ、5か月歩き続けるテ・アラロアって?
ニュージーランド最長のロングトレイルとして、2011年に完成した比較的新しいもの。
新しくこのためにトレッキングコースが開拓されたのではなく、既存のルートをつなげて、高台、ビーチ、市街地、牧草地など景色がどんどん変わっていくのが特徴。
ワーキングホリデービザを使ってオークランドから入国、いきなりトレッキングをスタートして最初の5か月間、ずーっと歩き続け、この前ニュージーランド南島南端でゴールを果たしたってことで興味深々で話を聞いた。
北島の北端ケープレインガから、牡蠣で有名な南島南端ブラフまで、大きなバックパックを背負って行ったなんてすごい!
ルート上で最高標高地点Stag saddleでテント泊したときの夜明け
この時行った日本食レストランKinjiのきんじさんの話だと、昔は自転車でニュージーランド縦断とか、徒歩で超距離歩く人は多かったけど、最近は減ってきた印象もあるんだとか。
https://twitter.com/naokonz/status/1132948098613895168
テアラロアの話を聞きながら、美味しい日本食に舌鼓。
Te araroa挑戦を決めた理由
3000キロも自分の足で連日歩き続けるなんて、普通の覚悟じゃ出来ない。
なにが決め手でテアラロアに挑戦することになったのか。
「時間の重要性について深く考えるようになるにつれ「体力と精神力が要求される挑戦」を“今”やっておきたいと思った。
年を重ねると色々なことで身動きがとりにくくなるはず。
身動きがとれない状態になってから「あれをしておけばよかった」「これをしておけばよかった」と後悔するのは嫌だった。
そこで「死ぬまでにしたいこと」を色々と考えて、A3の紙にズラズラと書き出してみた。
優先度を考えて“今”“自分が”すべきは、海外ロングトレイルだと結論づけた。
色んなチャレンジがあるなかで海外ロングトレイルを選んだ理由は、それが「体力と精神力が要求される“今”やるべき価値のある挑戦であり、今まで自分が経験してきたことの集大成的取り組みになりうると思えたから」。
後回しにした「したいこと」は年を重ねてからでもできるだろうし、海外ロングトレイルを完遂したらなんでもできるだろう、と考えた。
この段階にくると、もはや海外ロングトレイルのことを知って調べはじめてしまっており「ロングトレイルをやらないことを選んだ場合、後悔が生じる」段階になっているのでもうブレーキは壊れていて(笑)
ニュージーランド行きは止められない状態。
ブレーキが壊れてからは、クレジットカードについて勉強を進め会社員でいるうちにクレジットカードを複数枚つくりはじめ、同時に歯医者に連絡して1ヶ月以内に親不知を全部抜くところから渡航準備を開始。
二本ずつ二回抜いて、超痛かった…
小さいころからの海外留学、長期滞在へのあこがれ
元々、海外留学は小さい頃からの夢であったことも海外ロングトレイル挑戦の大きな理由のひとつ。
父が外資系航空会社で働いていて英語を使って仕事していて、その背中を見て育ち、その背中はとてもかっこよかった。
「僕も父のように英語を駆使して国際的に活躍できる人間になりたい」という思いがありながらも、大学受験に失敗して結局夢が叶えられていなかった過去があり、ニュージーランドのロングトレイルに来ることでその夢を叶えているような感じも。
自分でお金を貯めてニュージーランドに来てよかった
自分でお金を貯めて留学的にニュージーランドに来ていて、これは結構良かった。
自分でお金を貯めたから経済感覚が掴めているのは大切なポイント!
旅するにあたって、アウトドアを「目的」ではなく「手段として活用」することで、より濃く、より楽しく、より深く、安く海外に長期滞在することが可能であると考え、概ねそのとおりになっている。
アウトドアで旅を繋ぐということ。
2,900km地点のマーキング。ものすごく素っ気ないのがニュージーランドっぽい
実際にやってみると、その国の文化や歴史、これらは自然環境に根差していることが多く、これらを肌で体感できたのはいい収穫だった。
ロングトレイルをしているとローカルの方々との交流機会も多くあり、その分、観光地を巡るだけでは得られないような深い部分に触れられた。
ニュージーランドで良かった!NZ最高!!
そんなこんなで気力体力経済力のバランスがとれた2018年の年末に退職し夏の南半球に飛んだ。
ニュージーランドは英語圏で、おしもおされぬアウトドア天国であり、熊も蛇もいない。
南北に細長く、旅に適した気候の幅があり、島国であるがゆえ僕の好きな海の幸にも恵まれ、国土に対する人口密度も日本と比してかなり小さく、その分幸福度は高いという予想もあり、当たっていた。
政府も小さく、国民性もフレンドリーで、旅人に寛容。
ロングトレイルの装備・持ち物
3000キロもニュージーランドを歩くためには、持ち物にも気を遣う必要があるよね。
究極に軽く、小さくしていかなければ、背負える荷物には限界がある。
バックパック(リュックサック)がまだ新しい状態だったころ。この後使い込んで味が出てくる
テントの中
荷物を最小限にするため、歯ブラシですらこんな状態で持ち歩く
みんな最新のトレッキングポールを使っているなか竹の棒でがんばる
Te Araroaはサバイバル生活
ニュージーランドを縦断するとき、全てが整備されたコースでもない。
小屋の近くに水が無いことも…
ニュージーランド南島の北部は食料調達ができない!
30日以上分の食糧をニュージーランドの首都ウェリントンで買って、南島のポイントに送る
海にはじまり、海に終わるテアラロア
「テアラロアを実際に歩いてみて「いいな」と思ったのは“海に始まり海に終わる”こと。
世界にも数本3,000km級のロングトレイルはあるけど、どれも大陸の途中を区切って、人間が恣意的に「ここスタートね」、「ここゴールね」という具合に決めたものがほとんど。
テアラロアは最北端の海のキワキワ、ケープレインガから始まり、最南端の海のキワキワ、ブラフまでいくから“本当にこのトレイルはもう繋がらないンだ”というリアルな感覚を得られる」
「火山とプレートの隆起で地球上でも奇跡と思える場所に南北に細長い土地ができ、そこに国ができ、一本の道を繋げた。
テアラロアは奇跡のトレイルだと思う。
いい意味で開発の進んでいない土地が多いので難易度も上がり、達成感は小さくなかった」
地球の箱庭ニュージーランドを肌で感じられる
「海、山、川の連関を体感できることもいい経験。
雨水でずっと生活して、雨のありがたさも分かった。」
「太陽はつらかった。 ビーチを延々歩いたり(Ninety mile beach) 泥の森を漕いだり(Raetea forest) 都市部を歩いたり(Auckland周辺) 原始の森を歩いたり(Tararua range) 違う惑星に来た錯覚を覚えるスケールのある山を歩いたり(Tongariro) 川を5日間かけて下ったり(Whanganui river) 10日近く山に籠ったり(Richmond range)。
沢登りあり、稜線歩きあり、バリエーションに富んださまざまな環境がギュッと詰まっている感じ」
「ニュージーランドは「地球の箱庭」と形容されるけど、まさに“地球を体感する”にはもってこいの密度。
色んな環境で自分をためして、自分の内側とじっくり対話することができたのはいい時間。
ロングトレイルの魅力の一つとして「半強制的に自分自身と向き合う修行的な側面」があると思う。
なかなかじっくり物事を考える時間を得にくい時代においては貴重な時間だった!」
ロングトレイルTe Araroaのでの出会い
「ロングトレイルに出る前は「自立」と「独立」そして「主体性」にその醍醐味がある、と考えていた。
概ねその考えには間違いがなく、自分で考えて自分で計画して自分で実践する、というように自立して主体的に取り組むことで、誰かにやらされているのではなく、自分がやりたいからやっている、という感覚でいい時間だった。
ただ、独立というところには少し疑問が残り、色んな局面で物理的にも精神的にも周囲の人達に支えられることが多分にあり一人では絶対に無理。
most memorable eventは人との出会いであり、親切な心に触れたこと!
ぼくも今後は「この人に会えてよかった」と思ってもらえるような人格を目指したいし、他人には親切に関わっていきたい」
Te Araroaゴール地点のオイスターコーブという店でゲットできる超貴重なメダル
おすすめトレッキングコース「ネルソンレイクス国立公園」
ニュージーランド中のトレッキングコースを歩いた中でも、おすすめを聞いてみたよ。
「どこも良かったし、ミルフォードサウンドもフィヨルドの地形が印象的でスペシャルな体験だったけど、ネルソンレイクス国立公園が良かった!」
ネルソンレイクス国立公園は、ネルソン市内から車で約1時間ほど。
氷河時代末期に氷河が後退したことによってできた地形で、ロトイチ湖とロトロア湖が中心。
トレッキング好きな人から度々名前が出るネルソンレイクス国立公園、いつか行ってみたいな~!
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