ニュージーランドの歩き方に執筆したコラム「ニュージーランド移住までの道」
*ガイドブック「地球の歩き方」の公式サイト「ニュージーランドの歩き方」に連載したコラム「ニュージーランド移住までの道」の再掲載です。
キウイ(ニュージーランド人)とフラット生活
2008年4月。クライストチャーチのラジオ局でオペレーションズマネージャーとして雇用してもらえることになって、本格的に働き始める前に一度日本に戻ることにした。
ニュージーランドでしばらく住む予定なんて無かったから、長期的に海外生活に必要なものはあまり持ってきてなかったから、準備がしたくて。
今まで3カ月間、ワーホリ時代に住んでいたホームステイ先に再び滞在してたけど、戻ってきたら引っ越してフラット生活(シェアハウス)したいなという思いが日に日に強くなってきた。
子供が二人いてにぎやかで、昔から仲良しのホストファミリー。でも職場のラジオ局まで遠い!朝の混む時間にはバスで3~40分かかって、その分の時間&交通費がもったいないと思って。
またここからはニュージーランド移住ということで、気持ちを切り替えて仕事に集中して頑張りたいという気持ちもあった。
そしたらちょうど元放送局で働いてたプロデューサーのデイビッドが部屋1つ開いてるからフラットしないかって声かけてくれた!なんてうれしいタイミング。
そこには以前同じく働いてたスティーブもキャロラインも住んでた所で、新しくてキレイ。
丘のふもとの落ち着いたフラットって印象で、キレイな川も近くを流れてて…。ラジオ局のスタッフと遊びに行ったときに一目で気に入って、日本に戻る前に荷物を全部その家に移動させた。これで住むところはOK!
ところが一時帰国中に、ニュージーランドへ出発まであと一週間切った時に、フラットする予定のデイビッドからショッキングなEメールが。
「実は彼女と同棲することにしたんだ。だからもうベッドルームは余ってないんだよ」
ええーーー!!
もう出発目前!早く教えてくれれば、こっちも住むところを探したのに・・・
まさかたった数週間日本に行ってる間に住むところが無くなるなんて!
これこそニュージーランドって感じだよね。
フラット(シェアハウス)は出る2週間前に言うだけで基本OKというほど手軽なもの。その分こんな風にカジュアルに部屋も無くなってしまう。
「友達のマークの家に住んだら?それが一番ベストだと思うよ」
フラットを決める前、友達のマークの家も一瞬考えたけど・・・
マークは親友で話していていつも楽しい。でもいかにも今シングルの男性が二人住んでる家?って感じでキレイ&清潔で新しいデイビットの家とは印象が正反対。
デイビッドのフラットの方が落ち着いて仕事するにはいい環境だと思ったの。
どういう家に住みたいかってフィーリングが大切。
デイビッドの家は住みたい!って感じたけど、マークの家は何度も遊びに行ったけど住むっていうイメージが個人的にわかなかった…なんて言ってる場合じゃない。とりあえず他に選択肢も無いし、まずしばらくはそこに住む事に…!
2008年5月、再びニュージーランドへ単身で渡航。もちろん、このままワークビザから永住権へと計画していたけど、独身じゃないとビザの問題が少し複雑。
まだ去年日本人の夫と結婚したばかりで、夫としばらく離れて生活するのはすごく辛かったけど、夫もまだこんなに早くニュージーランドに移住しようとは思ってなかったから自分の仕事をどうするかすぐには決められないし、とはいっても永住権に繋がるかもしれないこのチャンスをみすみす逃すわけにはいかない・・・。
二人でじっくり話しあって、このニュージーランドの渡航は将来の移住に繋がるだろうし、しばらくは日本とNZで別々の暮らしになるけど、私がニュージーランドへ最初にまず来て働くことにした。
クライストチャーチに戻ってきてすぐ、大聖堂広場のニュージーランド移民局へ。
超緊張したワークビザ申請@ニュージーランド移民局
ワークビザ申請はドキドキだった!学生ビザやワーホリのように申請したら高い確率で取れるというものではない。
却下されたり、更新できずに帰国しちゃった友達も何人も見ている。
だから何度も移民局に電話して確認しながら、慎重に書類を準備。
そして3年間のワークビザをゲット!
★当時はオンライン申請ではなく、こうした紙での申請が主流。写真もアップロードではなく貼り付けた
ワークビザのステッカーをパスポートに貼ってもらった時は、夢みたいだった。
ハードルが高い印象があったからね。このときはほんと嬉しかった!!
ニュージーランドで就職してから
ニュージーランドに就職してから最初の半年位は、ただただ必死。
ちょっとずつ英語で働くのにも慣れてきても、仕事内容を覚えてこなすのが最初は大変で。
週末も出勤して終わらない仕事をやったり…
マークとのフラットは住むイメージがわかなかったけど、実際ここのフラットに住んでみて、友達と暮らす楽しさがあった。
文化の違いでぶつかることも多いけど、それ以上に仲良い友達と一緒に住むのは楽しくて。
もう一人のフラットメイトのペディーもいいキャラで、ワインの輸出入ビジネスをしていて毎朝シティーまでハグレーパークを横切って一緒に散歩して通勤しながらいろんな話をしたり。
夫と離れてる寂しさ、辛さと、仕事でのプレッシャーが緩和されたような気がする
仕事後に一緒にラグビーの試合を見にスポーツバーに行ったり、家でパーティーやバーベキューも何度もしたり、テニスやゴルフの打ちっぱなしに連れてってもらったり・・・
フラットの庭に大きなスパ(お風呂)があって、顔の広いマークとペディーを訪ねて連日誰かしら遊びにくるからその友達も一緒にゆっくり浸かって語ったり…
職場でも家でも完全に英語しか使わなかったから日本語を話す時間は一日中ほぼゼロ。
早起き→シティーに出勤するペディーと一緒に1時間かけてハグレーパークを横切って通勤(朝の公園を歩くのはとても気持ちいい!)→ペディーの友達の経営するカフェで朝のコーヒー&新聞を読む→仕事(8時間)→疲れて帰って、あまりネットとか見る時間も無く翌日の早起きのために寝る
の繰り返しで思い返せばかなり健康的な一年間だった!
完全英語の環境は英語の上達に良かったし、ニュージーランドに慣れていく環境としても良かった。